糖質は生物が生きるために不可欠な栄養素です。人間の脳は体重の2%程度の重さしかありませんが、脳の基礎代謝量は体全体の25%を占めます。多くの動物は脳も他の器官も代謝量は均一です。。人間だけが脳の代謝が極端に活発なのです。ヒトという生物が非常に知的だといわれるのはこのためです。

その脳のエネルギー源として働けるのはブドウ糖だけです。糖がなければ脳は働くことができません。
反面、糖は過剰になると体中の不調の要因になります。ここでは糖が人間の体と脳(心や気分)にどのような影響を与えるのかについて解説します。

甘いものがおいしいと感じるメカニズム 

●ブドウ糖
脳のエネルギーになれるのはブドウ糖だけです。そのため仕事や勉強で脳が疲れると脳がブドウ糖を要求してきます。甘いものが食べたくなって、しかもとてもおいしく感じるのです。

●エンドルフィン
エンドルフィンとは幸福感を生む神経伝達物質です。ドーパミンとよく似た働きをしますがドーパミンよりは穏やかな働きです。甘いものを食べると舌の味蕾から舌咽神経を経由して脳幹の孤束核に伝わり側坐核に伝えられます。すると脳内でエンドルフィンの分泌が活性化されます。愉快な気分になったり積極的な気持ちが起きます。そのため甘いものはとてもおいしく感じ、また繰り返し欲しくなります。エンドルフィンやドーパミンは時には依存症の原因になります。

●セロトニン
セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンを原料にして合成される神経伝達物質でエンドルフィンと同じように幸福感を生み出します。セロトニンの幸福感は穏やかで冷静な幸福感です。気分がほっとしたり、落ち着いたりします。トリプトファンを多く含む食品を食べるとセロトンガ多く作られます。ところがトリプトファンがうまく脳に到達しなければセロトニンを作ることができません。

トリプトファンを多く含む食品は基本的には他のアミノ酸も多く含みます。たとえばマグロはトリプトファンを多く含む食品ですが、その他のアミノ酸もたくさん含まれています。血液脳関門にはこれらのアミノ酸が殺到することになります。すると脳へ到達するトリプトファンが少なくなってしまうのです。

ここへ糖分が加わると血糖値が上がります。血糖値を下げようとしてインスリンが分泌されます。インスリンはバリンやロイシン、イソロシンといったアミノ酸を使って筋肉を作ろうとします。これらのアミノ酸が血液脳関門へ行かずに筋肉に行くので、トリプトファンは血液脳関門を通過しやすくなります。タンパク質同時に糖を摂取することで、トリプトファンの脳への到達率が上がるのです。そのため、セロトニンの合成が盛んになり気分が穏やかに落ち着きます。

肉料理や魚料理の後に少量のデザートを食べるとセロトニンの分泌を促すので、甘いものがおいしく感じられるのです。

●人口甘味料の気分への影響
甘いものが気分を癒すのは、エンドルフィンやセロトニンの分泌と深く関連していることが分かりました。では甘いものの種類によって効果は変わるのでしょうか?実は、脳(気分や心)を癒す効果があるのは糖質だけで、人工甘味料やエリスリトールではその効果はないと言う研究結果があります。

●トリプトファンと糖の両方を含む食品
バナナ、チーズケーキ、きなこなど

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特にバナナはトリプトファン、糖質と同時にビタミンB6も豊富に含みます。ビタミンB6もセロトニン合成にとても重要な栄養分です。


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