・物質名:レチノール
・目や肌を守る
・脂溶性
・一日摂推奨摂取量:成人男性900µg、女性650μg
ビタミンAは目と肌のビタミン
体中の粘膜組織を丈夫に保つ働きがあります。目や口の中、気管支、内臓など体中の粘膜に影響を及ぼします。また、成長促進や生殖機能維持のサポートもします。
ビタミンAを食べたり飲んだりすると、小腸にある脂肪分に溶けて血液中に流れ込みます。血流にのって体中の粘膜や上被膜に運ばれます。一部は肝臓に貯蔵されます。抗酸化作用もあり、近年はがんリスクを低下させることでも注目されています。
ビタミンAと網膜成分(ロドプシン)
ビタミンAは古くから目のビタミンとして知られていました。人間がものを見ることができるのは網膜が光を感じてその光の情報を視神経を通じて脳に伝えるからです。網膜にはロドプシンという光を感じ取る成分があります。このロドプシンの成分がビタミンAです。ビタミンAは物質名をレチノールといいますが、レチノールは受光色素と呼ばれています。光を受け取る力のある色素です。
受光色素レチノールとオプシンというたんぱく質の複合体がロドプシンです。オプシンは,ロイシン,イソロイシン,バリン,フェニルアラニンなどのアミノ酸で構成されます。目を健康に保つためにはビタミンAとたんぱく質が欠かせないのです。
ビタミンAと肌(コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン)
肌を丈夫にみずみずしく保つのがコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンといった成分です。これらの成分を作り出すのが肌の奥深く真皮という部分に存在する繊維芽細胞です。ビタミンAは繊維芽細胞を活性化する力があります。
プロビタミンA(βカロテン)って何?
プロビタミンAとはビタミンA前駆体のことです。もっとも効率よくビタミンAに変換されるのがβカロテンです。そのほかにαカロテン、Γカロテンなどがあります。赤や黄色の植物性色素です。植物性抗酸化物質(ファイトケミカル)としてもよく知られています。
プロビタミンAは小腸でビタミンAに変換されます。プロビタミンAは必要に応じてビタミンAに変換され、残った分は抗酸化物質として働き排泄されます。
脂溶性であるビタミンAは過剰に摂取すると体内に蓄積されて副作用を起こすことがあります。プロビタミンAで摂取すると過剰摂取のリスクを軽減できます。
ビタミンA欠乏症
ビタミンAが欠乏すると肌荒れの原因になります。髪のパサつき、抜け毛、爪がはがれるなどの問題が起きます。子供がビタミンA欠乏症になると成長不良になります。
ビタミンA欠乏症でもっとも有名なものが夜盲症です。網膜のロドプシンの合成が不完全になって光を感じる力が弱くなるのです。悪化すると深刻な視覚障害が起きます。「夕方になると見えにくい」症状が表われたら医師の診察を受けましょう。
ビタミンAは脂質とともに吸収されます。脂質の摂り方が少ないとビタミンAも不足する可能性があります。脂肪便症や胆道の障害など脂肪分の吸収に問題が起きる病気の場合にはビタミンA不足にも十分気をつけましょう。
ビタミンA過剰症
ビタミンA過剰症では吐き気、発疹、倦怠感などの症状がでます。妊婦がビタミンA過剰症になると流産や胎児の奇形の可能性が高くなります。妊婦の場合には、特にβカロテンなどのプロビタミンAの摂取をおすすめします。
ビタミンAを多く含む食品
うなぎ、レバー、卵など
βカロテンは、ホウレンソウ、コマツナ、にんじんなどの緑黄色野菜に含まれます。βカロテンもビタミンAも脂質と一緒に摂取すると吸収率があがります。サラダやゆで野菜にした場合も油性のドレッシングやたれを選びましょう。
ビタミンAを破壊するもの
喫煙はビタミンAを破壊してしまいます。副流煙はβカロテンを破壊してしまいます。喫煙者がいる家庭の子供は特にビタミンA不足に対する注意が必要です。飲酒もビタミンAを消耗してしまいます。お酒の肴にはビタミンAやβカロテンを含む食材を選ぶことが大切です。
現代の日本で普通の食生活をしていればビタミンAが欠乏することはありません。無理なダイエットでたんぱく質や脂質を減らしすぎるとビタミンAも不足してしまいます。逆にサプリメントの摂りすぎによる過剰症には注意が必要です。


