脳由来神経栄養因子
うつ病や不安障害などを発症するきっかけの一つが強いストレスです。ストレスによって脳内の脳由来神経栄養因子が減少し脳細胞が委縮して神経伝達物質お分泌量が少なくなった結果、うつ病などの病気を発症するといわれています。
➀脳由来神経栄養因子とは?
BDNF(脳由来神経栄養因子)は脳内の神経伝達システムを作り出したり、伝達システムを維持したりする液状タンパク質です。脳内に広く存在しますが、特に海馬、大脳皮質、大脳基底核で分泌されています。これらの部位は学習、記憶、高度な思考に関連する場所です。
BDNF(脳由来神経栄養因子)のはたらき
➀BDNFで記憶力が向上する
哺乳類は出生前の胎児の時期に脳の神経伝達ネットワークが完成します。人間だけが成人後も新しい神経伝達ネットワークを成長させることが確認されています。この時に働くのがBDNF(脳由来神経栄養因子)です。特に長期記憶に深くかかわります。
②気力が前向きになり、うつ病の予防や改善になる
BDNF(脳由来神経栄養因子)は気力を向上させる働きがあるので、うつ病の予防や改善にも働きます。
③アルツハイマー病予防
アルツハイマー病の人は脳内のBDNF量が少ないことが確認されています。BDNFがアルツハイマー病の原因になるβアミロイド蛋白の毒性を抑えることもわかっています。
②歯周病予防
BDNFが歯と歯の周囲の細胞や血管を増殖させることが分かりました。動物実験では歯周病で傷んだ歯を再生できることが確認されています。BDNFを利用した歯科治療方法の研究開発が進んでいます。
③糖や脂質の代謝の改善
糖尿病や肥満の改善が期待できます。
④食欲を調整する
過食や食欲不振を改善する効果があるため、肥満や痩せすぎの改善につながります。摂食障害との関連性についての研究が進んでいます。
⑤脳卒中による脳のダメージの改善
認知の面からも運動機能の面からも改善効果が期待できます。
⑥慢性的な痛みを抑制
神経痛などの慢性的な痛みを抑制する働きがあります。
⑦網膜の保護
網膜を保護して視力を守ります。
③BDNFが自閉症を防ぐ?
幼少期の子供の脳にはさまざな神経伝達のネットワークが作られます。この時不要なネットワークも作られてしまいます。不要なシナプスが自閉症スペクトラムや統合失調症の誘因ではないかと推測されています。BDNFは不要なシナプスを取り除く働きがあるといわれています。現在、BDNFに関しては自閉症や痛風との関係等、神経や気分障害の治療に役立注成分として注目されています。
BDNF(脳由来神経栄養因子)を増やす方法
➀なわとびやウオーキングでBDNFが増える?
有酸素運動は脳内のBDNF合成を活性化します。有酸素運動をするとBDNF合成は、しないときの3倍にもなるといわれています。このため有酸素運動をすると記憶力や理解力が改善し、気分が前向きになったりします。人と会話しながらできる程度のウオーキング、ジョギング、縄跳びなどが有効です。
②BDNF(脳由来神経栄養因子)を増やす栄養素
ナイアシン(ビタミンB3)
キノコ類や落花生、玄米、たらこ、かつおなど
葉酸
枝豆、バナナ、モロヘイヤなど
DHA
アジ、サバ、サンマ、ブリ、イワシ、マグロのトロ、ウナギなど
フラボノイド
大豆、きなこ、りんご、緑茶、小豆、ココア、黒豆、紅茶、レモンなど
ペプチド
牛乳由来ペプチドが販売されています。


